お客さんに聞き忘れがあって、もっと早く聞いておくべきだったと後悔したことはありませんか?
事前にヒアリングシートを準備しておけば、聞き漏れをなくすことができます。
Webサイト制作におけるヒアリングシートを用意して、スムーズにプロジェクトを進めましょう。
こんな人におすすめ
- Webサイト制作におけるヒアリングシートが何か知りたい方
- 何を聞いたらよいか分からない方
- 聞き漏れがないか不安な方
- Webディレクターの方
- 手っ取り早くヒアリングシートのテンプレートが欲しい方
上記のような方へ、ヒアリングシートについてご紹介します。
わたしはWeb業界で20数年、働いているモノコト(@monokoto68)です。
これまで様々なWebサイト制作に携わってきました。
そんな現役Webディレクターが実際に行っているWebサイト制作のヒアリングシートについて教えます。
ヒアリングシートの使い方
ヒアリングシートは作成した後、下記手順にしたがって進行していくのがよいでしょう。
- ヒアリングシートを提出
- ヒアリングシートにご記入いただく
- ヒアリングシートをもとに打ち合わせを行う
- ヒアリングシートで不明点がなくなるまで繰り返す
ヒアリングシートはビジネスから技術的なものまで、幅広い項目があります。
事前にクライアントに提出して、回答を記入していただきましょう。
その後、ヒアリングシートをもとに打ち合わせを行ってください。
打ち合わせ時に、時間はかかりますが、ひとつひとつの項目について確認して、認識を合わせていきましょう。
クライアントとは、キックオフミーティングを行うタイミングでヒアリングシートの概要説明を行うとよいでしょう。
ヒアリングシートの役割
Webサイト制作におけるヒアリングシートの役割は以下の3つです。
- クライアント理解を深める
- 確認漏れをなくす
- 相互の認識を合わせる
クライアントの事業について幅広く聞くことで、クライアント理解が深まります。
クライアントの理解が深まれば、Webサイトの制作においても自分ごととして捉えることができるようになります。
また、ヒアリングシートがあれば、聞き忘れの防止に繋がります。
早い段階で必要な情報をまとめて聞くことができますので、今後の進行がスムーズになります。
ヒアリングシート項目例
ヒアリング項目には、クライアントのビジネスからWebサイト制作における技術的なことまで幅広く聞くことになります。
抜け漏れがないように、ヒアリングシートにまとめておきましょう。
ヒアリングシートの項目例
- 貴社について
- Web戦略について
- Webサイト制作について
- サイト運用について
- その他
それぞれ詳細に内容をご紹介します。
貴社について
クライアントのビジネスについてヒアリングします。
Webサイトを制作することが目的ではありません。
ビジネスの課題を解決するための手段としてWebサイトがあるはずです。
まずは、クライアントのビジネス背景をヒアリングしましょう。
- 貴社の事業について教えてください
- 貴社の強みを教えてください(他社ではなく貴社が選ばれる理由)
- 競合他社を教えてください
Web戦略について
クライアントの事業におけるWebサイトの目的や、なぜ制作(もしくはリニューアル)しようと考えたのか、背景をヒアリングします。
また、今後、Webサイトがどうなったら良いのか、何を期待しているのかも共通認識として持っておくことが良いでしょう。
- 対象サイト(URL)を教えてください
- Webサイトにおける目的を教えてください
- 現在の目的に対して、達成度を教えてください
- Webサイト制作(リニューアル)後、何を期待しますか
- Webサイト制作(リニューアル)を決断された理由を教えてください
- 現在の問題点/課題を教えてください
- ターゲットが決まっていれば教えてください
- Webサイトで伝えたいメッセージがあれば教えてください
Webサイト制作について
実際にWebサイトを制作する上で必要な項目をヒアリングします。
できるだけ具体的に聞き出すことで、今後のプロジェクト進行をスムーズに行うことができます。
全体
- 対象ブラウザ、OSのバージョンのご指定はございますでしょうか
- 多言語対応は必要でしょうか
- 本番公開日に希望はございますでしょうか
- なぜ、公開日が決まってるのか、その理由を教えてください
- 本番公開日の変更は可能でしょうか
コンテンツ
- 既存サイトから追加・削除したいコンテンツがあれば教えてください
素材(写真、原稿、動画など)
- 原稿、写真は弊社で用意が必要でしょうか
※必要な場合、ライター/カメラマンを手配いたしますので、別途お見積りさせていただきます - 原稿、写真などの素材は、全てご支給いただくことは可能でしょうか
デザイン
- コーポレートカラーに沿ったカラーで問題ないでしょうか
- デザイン参考となるWebサイトがあれば教えてください
- 参考サイトのどこが良いと思っているのか具体的に教えてください
- ロゴ規定があればご提供ください
- 会社パンフレット、その他の媒体資料がありましたらご共有ください
- デザイン制作は1案のみとなります
コーディング
- フェードイン、フェードアウトなどの簡単なアニメーションを想定しておりますが、動きに関して、こだわりはございますでしょうか
- 凝った表現が必要であればお知らせください
システム
- 現在、管理画面(CMS)を利用されていますでしょうか
- WordPress、MovableTypeなどを使用されている場合、バージョンや使用プラグインを教えてください
サーバー
- サーバー会社、ご契約プランを教えてください
- Web/DBサーバーのバージョンなど仕様を教えてください
- ドメイン、SSLは御社で取得される想定でしょうか
- サーバーへのFTP接続は許可していただけますでしょうか
- テスト環境はございますでしょうか
- WAFなどのセキュリティ対策を実施されている場合はお知らせください
サイト運用について
本番公開後、クライアントがどのようにサイト運用を行うのか、体制やフローを確認しておきましょう。
例えば、複数の部署の複数人で上司の承認を得ながら運用することが必要となると、管理画面の設計を詳細に検討しなければなりません。
事前に、サイト運用についてヒアリングを行いましょう。
- 公開後の貴社運用体制、フロー、更新頻度を教えてください
その他
その他にも、Webサイト制作における必要事項を事前にヒアリングしましょう。
- 計測タグをご支給ください
- SNSの運用は想定しておりますでしょうか
- 指定の納品物があれば教えてください
- 要件が増えた場合のご予算の追加は可能でしょうか
- 貴社の特別な事情などがございましたらお知らせください
【ダウンロード】ヒアリングシートのテンプレート
ヒアリングシートのテンプレートを用意しました。
下記よりGoogleスプレッドシートにアクセスし、ご自由にダウンロードしてご利用ください。
クライアントによっても聞くことは変わってくるかと思いますので、自分なりに使いやすくカスタマイズしてみてください。
まとめ:Webサイト制作の「ヒアリングシート」の書き方や項目例を教えて!
Webサイト制作におけるヒアリングシートは、聞き忘れを防止するだけでなく、クライアントへの理解を深めることに繋がります。
その結果、Webサイト制作への共通認識が得られ、進行がスムーズになります。
ヒアリングは非常に重要な工程になりますので、事前にしっかりヒアリングシートを用意して打ち合わせに臨みましょう。