スケジュールを作成してほしいと頼まれたんですけど、何から手を付けていいのか、さっぱり分からなくて・・・
スケジュールを作成するのは、なかなか難しいですよね。経験を積んでもなかなか大変な作業です。できるだけわかりやすく解説しますね。
こんな人におすすめ!
- Webディレクターの人
- Webサイト制作におけるスケジュールがどのように作られるのか知りたい方
上記のような方へ、Webディレクターの仕事のひとつスケジュール作成方法についての要望にお答えします。
わたしはWeb業界で20数年、働いているモノコト(@monokoto68)です。
これまで様々なWebサイト制作に携わってきました。
そんな現役Webディレクターが実際に行っているWebサイト制作のスケジュール作成方法やポイントについて教えます。
この記事でわかること
- Webサイト制作のスケジュールの作成方法
- スケジュールを作成、運用する上でのポイント
- スケジュールを作成するツール
しっかり読んで、Webサイト制作のスケジュールを理解してくださいね。
Webサイト制作の流れを理解する
そもそもWebサイトってどういう流れで作られているのでしょうか?
Webサイトは大きく5つのフェーズに分かれています。フェーズごとにタスクを洗い出して、スケジュールを作っていくことになります。
Webサイト制作の工程・流れ
- 要件定義フェーズ
- 設計フェーズ
- 制作フェーズ
- 検証フェーズ
- 納品フェーズ
詳しくは、「Webサイト制作の工程・流れとは?現役Webディレクターがフローを教えます!」をご覧ください。
スケジュールは、各フェーズの詳細タスクを落とし込んでいく作業になります。
Webサイト制作のスケジュールを作成する目的
スケジュールを作成する目的
- 関係者の認識を合わせることができる
- 何かあった際にスケジュールが変更になることが理解できる
いつ何ができるのか、いつまでに何をしなければならないのか、行きあたりばったりだと、いつまで経ってもWebサイトは完成しません。
完成までのスケジュールを作成して、関係者がいつまに何をしなければならないかを明確にしましょう。
Webディレクターは、要件追加や制作工程で遅れが出たときに、スケジュールを調整しながら進めていくことになります。
ときには厳しい言葉で、「これ以上遅れると間に合いません!」と伝えることもあります。
Webサイト制作のスケジュール作成方法
実際にスケジュールを作成する手順は以下の通りです。
スケジュール作成手順
- タスクを洗い出す
- 各タスクの工数を担当スタッフに確認する
- スケジュールに落とし込む
- 関係スタッフに共有する
①タスクを洗い出す
各フェーズ(要件定義・設計・制作・検証・納品)におけるタスクを洗い出しましょう。
どんな作業が必要かをリストアップします。
ひとりで考えるよりもチームメンバーで、意見を出しながらリストアップするとより良いスケジュールが作成できます。
Webサイト制作におけるタスク参考例
- 要件定義作成
- ワイヤーフレーム作成
- 撮影・取材
- 素材提供
- TOPデザイン案作成
- 下層デザイン案作成
- ベースコーディング
- 汎用コーディング
- システム設計
- システム実装
- 検証
- マニュアル作成
- 本番公開
案件によっては、もっと細かくタスクを分けることもあります。
例えば、全ページをリスト化して、1ページづつスケジュールに反映したり。
スケジュールとともに案件の進捗管理表としても使えます。
細かくしすぎると、状況に応じてスケジュールの微調整が難しくなるので注意が必要です。
②各タスクの工数を担当スタッフに確認する
各タスクを自分なりに日数を考えてスケジュール表に入れました!
ちょっと待って!勝手に日数を決めると、あとで「その日数じゃできない」なんて言われてスケジュールが破綻しますよ。
各タスクがとれくらいの日数で作業ができるのかは、作業担当者に確認しましょう。
会社によっては、工数をしっかり算出できるスタッフが決まっています。
工数算出は非常に難しい作業です。
- 経験豊富な人:1日あればできる
- 経験が浅い人:3日はかかる
人によって、工数は変わってくるため、会社としての基準を決めて、工数算出をしてもらいましょう。
③スケジュールに落とし込む
各スタッフからあがってきた工数を入れたら、思ってた以上に公開までの期間が伸びました。
一旦は、それでOK!ただ、詳細仕様がまだ未確定の状態なら、工数もアバウトになりがちです。仕様がある程度、わかった段階でスケジュールの見直しが必要ですね。
クライアント要望で公開日が決まっているなど、さまざまな理由で制作スタッフの希望工数で進行できない場合があります。
どこで、どのようにスケジュールを調整するか、Webディレクターの腕の見せどころですね。
スケジュール調整方法例
- 経験豊富なスタッフをアサインする
- 複数人のスタッフを同時並行させる
- 詳細仕様を詰めて、削れる作業を洗い出す
- 先方の確認日数を短くしてもらう
- 公開のフェーズを分ける
クオリティを落とさず、制作スタッフにも負担がかからないように、コストも見ながらスケジュールを調整します。
④関係スタッフに共有する
出来上がりました!クライアントに提出します!
ちょっと待って!まずは社内の関係者に共有して、スケジュールを確認してもらいましょう。
工数は各スタッフに算出してもらっていますが、いつから始まるかなど、わかっていないことも多いため、出来上がったスケジュールは確認してもらいましょう。
ディレクターが勝手に決めたスケジュールとならないように、制作スタッフにも納得してもらった上で、クライアントに提出しましょう。
Webサイト制作のスケジュール作成時のポイント
スケジュールは作成したら終わりではありません。
スケジュール通りに進行しなければ意味がありません。
スケジュール作成のポイント
- 絵に書いた餅にならないように厳守する
- クリティカルパスを理解する
- 要件の変更が生じた際には必ずスケジュールを見直す
クライアントや社内スタッフにスケジュールの合意を得て、厳守するように伝えます。
スケジュールが守られないようであれば、そのプロジェクトは失敗に終わります。
スケジュールが変更になるごとに、スタッフの調整が必要になったり、請求のタイミングがズレたりと会社の不利益になります。
プロジェクト進行上で、この部分が遅れるとスケジュール全体が遅れるというクリティカルパスが存在します。
Webディレクターは、要所をしっかりと守って進行しましょう。
どうしても当初の予定になかった要件が増えることがあります。
要件が増えたにも関わらず、スケジュールが変わらないと制作スタッフに負担がかかります。
スケジュールも調整した上で、要件を受け入れましょう。(もちろん追加費用の交渉も必要です)
スケジュールを作成するツールは?
Webサイト制作におけるスケジュールは、どんなツールを使って作ったらいいですか?
提案時にはパワーポイントで概算スケジュールを作成することがあります。詳細スケジュールは日別に記入が必要なので、エクセルが良いですね。最近ではBacklog/Asanaのようなスケジュール管理ツールを利用することもあります。
スケジュール作成ツール
- エクセル(Googleスプレッドシート)
- Backlog/Asana
スケジュールは進行状況に合わせて、変更になるものです。
Googleスプレッドシートを使用して、クライアントと共有しながら常に最新のものが閲覧できる状態が望ましいでしょう。
エクセルだと共有や最新ファイルの管理が面倒ですね。
まとめ:Webサイト制作のスケジュール作成方法やポイントをWebディレクターが教えます!
Webサイト制作のスケジュールは以下の制作手順で作成されます。
スケジュール作成手順
- タスクを洗い出す
- 各タスクの工数を担当スタッフに確認する
- スケジュールに落とし込む
- 関係スタッフに共有する
タスクを洗い出し、算出された工数に基づいて、日別でスケジュールに落とし込みます。
社内の関係各所にスケジュールを共有して確認を取ります。
その後にクライアントと共有しましょう。